A Method of Generating Pavement Textures Using the Square Packing Technique

1.はじめに CGで現実感のある画像を生成する技術は、いかにして物体を 忠実に表現するかの技術である。物体を特徴付ける要素として は、大きく分けて、物体の形状と、物体表面の色情報や光学属 性などの表面属性がある。物体の表面属性を表現する場合、一 般的には、バンプマッピングなどのさまざまなマッピング手法 がとられている。CGデザイナがマッピングに利用できる素材と しては、市販の CD-ROM やインターネット経由で入手できる素 材集、およびテクスチャ生成のプログラムから出力されるデー タなどがある。 本報告で取り扱う石畳を表現する場合、CGデザイナが路面の 敷石を1つ1つモデリングして表現することが理想ではある が、大変な労力を要するため現実的ではない。一方、石畳の写 真素材を路面にマッピングして表現することも可能であるが、 以下のような問題が生ずる。 ・テクスチャ全体として凹凸が激しいため、光源の位置やカ メラアングルの相違によるミスマッチが発生しやすい ・素材の画像と路面形状のアスペクト比の違いにより、敷石 模様に継ぎ目が発生する ・素材画像の道路形状と表現したい道路形状の不一致により、 道路の境界における隙間や敷石の切断が発生する 本報告では、上記のようなさまざまな問題点を解決する1つ の手法として、スクウェアパッキングと呼ばれる閉領域の充填 パターン生成法を用いて、指定された閉領域を覆う石畳テクス チャを生成する手法を提案する。 本手法では、まず、与えられた道路形状の領域内に、引力と 斥力を持つ四角形粒子を発生させて、路面を構成している敷石 の充填パターンを生成させる。その後、生成された充填パター ンに従って敷石テクスチャを生成し、石畳テクスチャの生成を 行っている。 本手法を用いることにより、1つ1つの敷石をモデリングす るような手間も要せず、表現したい道路形状の領域を指定して 数個の敷石のパラメータを設定することで、デザイナが希望す る路面を被覆する、石畳テクスチャの自動生成が可能になった。 2.石畳と入力データ 本章では、石畳パターンの持つ性質と、石畳テクスチャ生成 のために入力するデータ、および過去の類似研究との比較につ いて述べる。